旧ユーゴ一人旅。

いよいよ帰宅。

長い旅というか、長いブログもこれで終わり。

今回が最終回です。





23:00発 ザグレブからグラーツへのバス。

3:30 グラーツ到着予定。
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一泊してもよかったけど、泊まっても朝早くて疲れるし

早くグラーツへ帰りたかったので、強行で帰ってくることにしました。 




ザグレブで不思議な出会いから老人二人とビールを飲みました。

二人の優しい雰囲気、楽しい時間。

ほろ酔いでいい気持ちです。



もう帰るだけだし、写真はないです。



早くターミナルに戻って

荷物を受け取り、バス内に持ち込む荷物と預ける荷物の整理。


ネットが使える場所なので、夫に無事連絡、ネットチェックをしたり

余ったクロアチア通貨で飲み物とかちょこっと食べ物を買ったり。



少し早めにバスに乗って、出発です。



ウィーン行きのバスなので、乗り過ごさないように気をつけなくては。

携帯のアラームをセット。

他の乗客の迷惑にならないように、静かな音のもので。



クロアチアからスロベニア。



何度も経験した、国境でのパスポートコントロール。

あと1回だけで終了です。

スロベニアは、シェンゲン協定国なので、スロベニア-オーストリアでのチェックはありません。



旅の疲れ、もう少しで帰宅という安心感、そして、ほろ酔い。


腰と首のクッションをセットし、すぐに寝ました。



国境。




国境にくると、運転手さんが、乗客に声をかけて起こします。

運転手さんから起こされるまでぐっすり。


はっと目を覚まし


バスを降りる階段。



ぐっすり寝ていたからか、いきなり血の気が引いたようになり

視界が突然消えました。

子供の頃によく経験した、お風呂上りの感覚。血圧が下がっている。

起立性低血圧。




そして、そのまま背中から階段を滑り落ちるように転落。



けど、あの厳しく恐ろしい雰囲気のクロアチアの国境。



ちゃんとパスポートを見せなきゃ。


立ち上がるんだけど、視界が消えて、頭の血管がぎゅーっと収縮して締め付けられるような感じ。


お酒飲んだからかな。
けど、まだ酔っ払っているとか、気持ち悪いとかそういう感じではない。



立ち上がっては、一歩進んで、うずくまり。



たぶん、異様な光景だったのだろう。



たぶんバスからチェックする窓口まで十数m


なんとかたどり着いてパスポートを見せますが、バスに戻ることも出来ない。



運転手も、他の乗客も


「医者を呼ぼうか?医者は必要か??」「大丈夫か?」と。



ここで、医者を呼ばれては家に帰れない。



一体自分のどこにそんな力があったのかと思うけれど。


「たぶん血圧が下がっているだけです。たぶん大丈夫。水分をとって横になれば大丈夫。血圧が下がっているんだと思う」



と。繰り返す。



バス運転手の支えでバスに戻ります。

少しだけ倒れる席のシートを倒し、残っていた水を飲んで、横に。


立たなければ別に大丈夫なんだけど。



いつもではないけれど、大人になってからも

温泉とかでこういう経験がある。

つい長風呂すると、ふわーっとしたり。

いつかジャスマックの脱衣所で、裸のまま、掃除のおばちゃんに、バスタオルかけられて、

寝てなさいと横にならせてもらったこととかあったなー。

あれは、夜勤明けだったんだろうか。




クロアチア国境は入国と、出国と二回バスから降ろされて、検査があるんんだけど

入国の審査は、立ち上がろうとしたら


運転手さんが

「代わりに行ってくるから寝ていなさいと」

パスポートを預かって、私の代わりに行ってくれました。



そして、私の水をチェック。

もうないじゃないかと。


今、全部飲んだというと


自分の手付かずの水500ml一本と食べかけの板チョコをくれました。
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優しい。



そして、また寝ました。



で、グラーツ。


到着したら、もう大丈夫。


立ち上がっても、ふらふらしません。



心配してくれて、何度も声をかけてくれた女性の乗客が起きていたようだったので


お礼を述べ


運転手さんにもお礼を言って。


バスを降り、家へ帰りました。


うちは、バスターミナルのあるグラーツ中央駅から徒歩数分。

本当に近い。

なので、真夜中の帰宅も可能。



帰ったら、夫は寝ているので

しずかに私も布団に入って寝ました。



ふー。

いろいろあった旅。


最後にこんな事件が待っているとは思いませんでしたが


無事、家に帰ってくることが出来ました。


おそらく、疲労。と安心。

初めてやること、失敗出来ないことが連続の毎日。

バスも宿も、前の町についてから、前日に予約していたから。

毎日歩き回る、知らない町。

緊張してすごしていたのだろう。

それに、目にする圧倒的な現実。

予想を超えるものも多かった。本物の場所が持つ迫力というか。

頭が、心が追いつかないというもの。

そして、これに乗れば帰れるという安心。だったのかなと。


けど、安心して、気が緩むのが早すぎましたね。



出発前は本当に心配だったけど

経験をつんで、ひとつまた、大きなり、強くなった。


そんな気がしています。


ずいぶん長くなった旅日記。

お付き合いありがとうございました。



グラーツ滞在の半分が過ぎました。



また、新たな旅に出たくなっています(・ε・)